東京都目黒区にある工務店、江中建設です。
こちらのお客様は、腐食した柱の交換を施工できる工務店を探しており、江中建設のホームページから、ご連絡下さいました。これまでお客様は、約20社ものリフォーム会社や工務店を当たっていましたが、全ての工務店から通し柱の交換は構造的に施工難易度が高いため対応できないと断られてしまい、大変困っておられました。
途方に暮れたお客様は役所に相談したところ、WEBで工務店を探される際に、「木造工事」、「社寺建築」などを入れて検索されることを提案されました。その結果、江中建設のホームページにたどり着いていただき、ご連絡下さりました。
そして我々が現地に伺い調査した結果、柱の腐食の原因は、柱と2階のバルコニーからの雨漏れでした。

雨水が2階から柱の内部を通り、1階の柱から地面まで、漏れ出ていました。
状況を確認するため、先ずは室内から柱の腐食状況を調査するために、一部解体を行ったところ、通し柱の2/3が雨漏れによって腐食し、欠損していたことが判明しました。

この状態を放置しておくと、もしも大きな衝撃を受けてしまったとき、危険な状態になる可能性があります。調査をふまえて、私たちより必要な交換と修繕のお見積りとご提案を行い、お客様とご契約となりました。
まず、1階の柱をサポート用の柱で支え、①2階内部→②1階外部→③2階外部の順番で柱の周囲の解体と補強を行っていきます。重要な点として2階、3階の力の流れを考えて、材料を順番に解体・補強していくことが、工事のポイントとお伝えしました。

柱を撤去した際に建物が傾かないよう補強とサポートを加えていきながら、1階から2階にかけての腐食柱の交換・修繕、補強柱の追加、金物・合板等での補強し、下地材などの欠損部分を修繕し、より強固な構造になるための補強を行いました。

ただし柱の交換依頼には、お応えしましたが、実は、今回の不具合の原因となる構造的な課題がありました。既存の外壁は、通気層のない、モルタル外壁の仕上げでした。外壁のモルタル仕上げは、強い日差し、雨風や寒暖差によってひび割れしやすく、さらに経過すると、モルタル外壁のひび割れや、笠木の取り合いから雨水が侵入し、最悪場合、柱、梁などの構造体を腐らせます。
実際に外壁モルタルに多くのひびが入っており、塗装を行い、塗膜でヒビを防いでも、繰り返しヒビ割れが生じることには変わりなく、そのたびにメンテナンスとして塗装工事が必要な状態でした。
お客様からお話を伺ったところ、外壁塗装してからは10年経過したことと、お嬢様に家を引き継ぎ、建物に対して常に気に掛けなくても良いように、少ないメンテナンスで長持ちする家にしたいことなどの、ご要望がありました。

そこで、外装リフォームとして、樹脂サイディングの上貼りを提案しました。
樹脂サイディングとは、塗装が不要で、メンテナンス回数が少なく、塩害、凍害、傷に強く、とても長持ちする仕上げです。
外壁の上塗り塗装より高価格で工期が長くなること、施工にあたり高い技術力が必要なことなどデメリットもありますが、
モルタル外装に上貼りすることで、モルタル外壁を雨から守り、モルタル外壁と樹脂サイディングの間に空気を通すことで、湿気等から生じる下地や構造体の腐朽を防ぎ、長期的に建物を維持する上で大きなメリットがあります。
以上の点を説明した上で、外壁の樹脂サイディングの上貼りをご依頼下さいました。
建物の構造的な修繕と長期的な視点に立った施工を行ったことで、お客様は大変喜ばれました。
そしてお客様から、江中建設に以下のお手紙が届きました。

このように喜んでいただけて、お手紙を頂戴し、大変ありがたく思います。これからも大切なお客様のために、全身全霊で満足いただけるように精進いたします。